なんとなく続く不調、その原因は“家”かもしれない
「子どもが家にいると咳が出る」
「朝起きると頭が重い、目がかゆい」
「病院に行っても原因がわからない」
そんな“なんとなくの不調”に心当たりはありませんか?
実はそれ、住まいの空気環境が原因かもしれません。
現代の住宅は気密性が高く、外気を遮断することで冷暖房効率を高めています。
しかしその一方で、空気の循環が悪くなり、化学物質や湿気がこもりやすい構造にもなっています。
その結果、目に見えない“空気の汚れ”が、家族の健康をじわじわと蝕んでいるのです。
シックハウス症候群とは?──現代住宅に潜む見えないリスク
シックハウス症候群とは、住宅に使われる建材や家具などから発生する化学物質(主にホルムアルデヒドやVOC=揮発性有機化合物)によって、頭痛・めまい・咳・皮膚炎などの症状が引き起こされる健康障害です。
特に影響を受けやすいのは:
- 小さな子ども(呼吸器が未発達)
- 高齢者(免疫力が低下)
- アレルギー体質の人
「新築の匂いが好き」という方もいますが、実はその香りの正体が化学物質の揮発であることも。
つまり、“新しい=安全”とは限らないのです。
リノベーションでできる3つの対策
では、どうすれば家族の健康を守れる住まいにできるのでしょうか?
リノベーションには、空気環境を根本から見直す力があります。
① VOCを含まない建材・塗料を選ぶ
- 無垢材や自然塗料、珪藻土などの自然素材を使用
- F☆☆☆☆(フォースター)認定の建材を選ぶ
- 接着剤やクロスの裏紙にも注意を払う
素材選びひとつで、空気の質は大きく変わります。
② 計画換気と空気の流れを設計する
- 24時間換気システムの導入
- 窓の配置や風の通り道を意識した間取り
- 換気扇の位置と強さの最適化
“閉じた空間”を“呼吸する空間”に変えることで、化学物質や湿気をため込まない家になります。
③ 湿度・温度・素材のバランスで“呼吸する家”へ
- 調湿性のある壁材(珪藻土・漆喰など)を活用
- 結露を防ぐ断熱リノベーション
- 床材や壁材の“触感”も健康に影響
空気の質は、温度や湿度、素材の相互作用で決まります。
五感で心地よいと感じる空間こそ、健康的な住まいなのです。
実例紹介:アレルギー体質の子どもを持つ家庭のリノベ事例
名古屋市内に住むAさんご一家は、5歳の息子さんのアレルギー症状に悩んでいました。
特に自宅にいるときに咳や鼻水がひどくなり、病院でも「住環境の見直しが必要」と指摘されたそうです。
そこでAさんは、築20年のマンションをフルリノベーション。
無垢フローリングと珪藻土の壁、24時間換気システムを導入し、家具も自然素材に統一しました。
その結果、息子さんの症状は大幅に改善。
「家にいる時間が一番安心できるようになった」と、Aさんは語ってくれました。
まとめ:空気の質は、家族の健康資産になる
私たちは、1日のうち約6〜7割を“家の中”で過ごしています。
その空気が汚れていたら、どんなに食事や運動に気をつけていても、健康は守れません。
リノベーションは、単なる見た目の刷新ではなく、“空気を整える”という本質的な価値を持つ選択肢です。
家族の健康を守るために、まずは「住まいの空気」を見直してみませんか?